『私はこう見た、 CancerX Summit 2020 ~患者&大学生編~』

自己紹介
鈴木明日香(21) 文化服装学院 グローバルビジネス科2年
ホジキンリンパ腫 サバイバー(18歳で罹患)









Cancer X Summit 2020に参加させていただきました、鈴木明日香です。
私はホジキンリンパ腫を18歳で罹患し、現在21歳で2年間キャンサーフリーで生活しています。

このサミットに参加したきっかけは、以前からお知り合いだった水田悠子さんのお誘いでした。
そして、参加を決めた動機は大きく分けて二つあり、一つ目はこれまで、周りにがん治療経験者の方が居らず、同世代のサバイバーの方にもっと出会ってみたかったということ、二つ目は私がこれから若年層向けに当事者とその友達が治療や生活に必要な基礎情報について理解を深めるためのメディアを作ろうとしているので、他のがん腫の方の生活についても、もっと理解を深めたいと思ったことでした。

サミットが始まると、最初のご挨拶でおっしゃっていた、”Cancer?So what?”と思える社会の実現のためにアプローチすることについてとても共感しました。私自身、最初は悪性リンパ腫という言葉に良いイメージを持てず、闘病中であることを告白すると友達が離れていってしまうのではないかと心配してたり、実際に思い切って言ってみるとやはり離れていってしまう友達もいたので、最初のうちはあまり公表できず苦しい時期があったことを思い出しました。そして、私も”Cancer?So what?”と思える社会をこれから治療を経験する方たちのために微力でも良いからお手伝いしたいと思いました。

今回のサミットに参加してよかったと思ったことの一つは、自分とは違うライフステージにいるサバイバーの方の経験や、悩み、それらをどう考え解決しているかなどについて聞けたことでした。
私は高校を卒業してすぐに悪性リンパ腫という病気が見つかり、治療のために休学、そして再入学して、2年が経ちました。病気になったことで自分のキャリアの積み方やライフプランについてさらに真剣に考えるようになった私ですが、最近、学校では長期インターンや就活といったワードがちらほら聞こえるようになってきており、将来自分にかかる医療費や、保険料はどのくらい普通の健康な方より多く払っていくことになるのか、補助制度はどのようなものがあるのか、+@を払えるくらいの職ってどんなものだろう?など、18歳だった私が持っていなかった疑問や悩みなどが増えてきたことを感じていました。

そんな中で、今回先輩たちの生活や経験談を聞き、ライフステージごとに感じる悩み(子育て、休職、転職など)が変わっていくことや、それらをサポートする動きがあることを知りました。そして、ちゃんと問題に向き合うことでそれらを解決している方もたくさんいらっしゃることも分かりました。
将来、今の私がまだ感じていない悩みもたくさん出てくるとは思いますが、「先輩たちの経験や解決法をヒントにしてちゃんと向き合ってみよう」と良い意味で以前より将来を楽観視出来ています。

また、がんの情報発信についてのセクションで聞いた『やさしい情報提供』というキーワードにも大変共感しました。自分の為だけでなく、周りの人の為に病気についての情報を求めている方が多い中でとても重要なことだと思います。同時に、「人は自分にとって都合の良い情報を信じたがる」という心理分析についてのお話もその通りだと思います。そこから、医学的に正確、且つやさしい情報提供であることを透明化していく必要もあるのだと思いました。

私もネットで自身の病気について調べていた時、これからの治療生活に必要になる知識は全然手に入らず、その一方で調べるつもりがなくても死亡率が書かれた記事にたどり着いてしまうなどし、怖くなって必要なことも調べられなくなりました。解決法としては病院で話を聞いた後に具体的に調べられるようになってから必要なことを検索するなどがありましたが、今では、適切な情報でありながら、10代後半くらいの子たちが自分や友達の病気について安心して調べられて、病気とともに生きながら生活することを楽しむかについて共有するための可愛いクリエイティブなウェブサイトを作ってみようと動いています。まだまだ医学的な視点からのアドバイスが必要だったり、私が感じなかった悩みなどについてのヒアリングなどが必要で、道のりは長いですが、水田悠子さん、中島ナオさんを始め、たくさんのかっこいい先輩たちの姿を見て心から『頑張ろう。』とモチベーションをもらいました。

CXS2020に参加をさせていただき、たくさんの方々とお話をさせてもらった事で、仲間はすぐ隣にいなくても、どこかにはたくさんいて、がんに関する課題に向き合い、よりよくする取り組みをしてくれている方々もたくさんいらっしゃることを実感しました。今、起こっているムーブメントがもっと広がって、コミュニティが当事者以外の方々にも広がっていったり、社会全体でポジティブなサポートをできる社会が広がっていくことを願っています。

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